NSR250R MC21
このMC21はN君なる知人が全損・廃車にしたものが、20年近くウチの車庫にねむっていて・・・
2010年の春に再生し終えたもの。
チャンバーは中古で入手したDogFightRacing製
本当にMC21用だったかは不明で
そのままではボルト位置も合わず
ちょっとしたカウルカットでは全く収まらない
チャンバーを板金の上、ステー溶接してカウルカットせずに収めた
カウル類は中国製格安ABS
加工なしでは装着できないのは当然
アンダーカウルはちょっと走るとあっさり割れた
純正部品のABSとは全く組成が違うようで、耐熱性・熱塑性がなく、あっさりとモロモロになる
グラスウール越しにチャンバーが当たる部分も熱変形せずにひび割れた
極薄のアルミ板をリベット止して補修
外観はこんな感じ
チャンバーとのクリアランス確保のため、カウル後方を開き気味にした
中古で入手した青/ 白のタンクにR1用に調色したキャンディーブルーの残りを上塗り
ストライプ・マーク類は純正部品のシール
新品のままずっとストックしてあったHRCのレーシングハーネスとSPユニット
当然灯火類やオイルポンプはキャンセルされる
灯火用ハーネスは自作すればいいが、いまさらSPレースするわけでもないので結局お蔵入り
ちなみにこのHRCユニットは苦肉の運輸省ダマシの品
素敵なBlackBoxの中では、何と・・・・
PGM3黒カプラーの橙/青が黒/白に結線されているだけ!
わざわざこんな配線加工をしてSPユニットをOEMハーネスに接続した人も多かったはず
(ハーネス側のカプラーをチョンぎって橙/青以外をそれぞれ接続する)
こちらはPOSH製のリ解ユニット(2010現在も市販されている)
4つのカプラーもモールドされた本体もただの子供ダマシ
KISSなんかのユニットも同様
こいつらはHRC製SPユニット同様、何か特別な事をしているわけではない
POSHのものは黒/白配線には触れず、橙/青配線をちょん切って繋ぐが
HRCユニットとは+12VのIGN電源の取り出し場所が違うだけ
要は橙/青にIGN電源(+12)を供給すれば、PGM3はフルパワーの点火時期マップを読む
それにより、8500rpmからの点火時期が正常化
同時に速度リミッターも解除される
右矢印の黒/白配線に、左矢印あたり(下段)の橙/青のユニット側配線を三叉に結線
橙/青のハーネス側は結線せず、そのまま遊離させておく
これがHRC製SPユニット内での出来事
とてつもないプレミア価格のついた無鉛対応PGM3を入手すれば
無加工のOEMハーネスをそのまま接続しても”リ解”状態になるらしい
ただし、よりハイパワーなんてことは決してあり得ない
アブガス使用禁止に伴うデトネ対策のため
12000rpmで頭打ちになるようにRCバルブが動作し
高負荷域での点火時期がやや遅めになっているだけのようだ
MC21はスタンダード状態だとMJ/SJ=128/38
OEMエアフィルターのままエアクリーナのBOXカバーだけ加工して
現状140/38
気温22℃だと、これでもやや濃い状態
ホンダは機能部品の強度限界を読んだ菲薄化の鬼なので
現在のセッティングから想定される出力ならば
まずエンジンは壊れない
ところで
HRCのレーシングハーネスにはオイルポンプソレノイド用のコネクターがない
従って、どんな方法にせよPGMにフルパワー側のマップを読ませると
OEMハーネスのカプラーが結線されている状態でも
O/PソレノイドはONにならず、7000rpm以下でのオイル吐出量が絞られることはない
アクセル開度の低い領域ではオイルの混合比が上昇する
その昔のマニュアルを紐解けば
筑波のSP推奨セッティングがSJ42、MJ180/185
当然、シリンダー・ピストン・RCバルブ・キャブキットなど
HRCのフルキットを入れ、EXチャンバーを交換した状態での話である
SPキットはオイルポンプがキャンセルされること(混合)を前提としている
OEMハーネスを使って分離のままマトモにパワーを出すと
O/Pの吐出量が消費燃料に追いつかない
上述のようなセッティングのストリート仕様で
分離のまま高速道路なんかをひたすら全開で走ると、当然焼き付くことになる
今回キャブ回りはMJ変更だけ
HRCレクチだけは一応組み込んだ
「どうしようか」と悩んだ末、溶接補修して使うことにしたエンジンマウントのクラック
NSRの場合、ケースを割る時にクランクのシールを痛めてしまう事が多い
"SPレースではケースを割ったらニュークランク"というのが相場だった
そんなこんなで、補修用のクランクケースは入手したものの
しばしこのまま使ってみることにした
ブレーキ回りはキャリパー・マスターシリンダーともにOHしてストックのままで組んでみた
念入りにホーニングしたマスターシリンダーだが微妙な”引っかかり”がある
使っているうちに馴染む程度のものだが、ちょとコワい
で、M/CはYZF-R1から外した同径(14mm)のものを使用
ホース類もステンメッシュに変更した
このホース、ACTIVEのものなのだが、非常に良くできている
GALE SPEEDを自社制作し初めてからの、ACTIVEの品質管理はすばらしいと思う
以前は自分でホース切ってフィッティングを組んでいたが
コストを考えても、安心度からも、見た目も
ACTIVEのものを買った方が遥かに良い
オススメである