雨を追い越して 霧島ー下関・5月1日(木)編




5月1日、朝起きるとどんより空は曇っていて、今にも雨が降り出しそう。
前夜の相談では、「今日はえびのスカイラインなんかを抜けて宮崎に入り、明日大分から四国に入ろう」なんていう次第になっていた。
天気予報も見ず、雨は全く予想していなかったところに、雨。
こんな天気ではえびのに登ってもつまらない。
今日の天気を確認すると、九州南部から雨が降り出し、次第に北上するらしい。
福岡あたりは曇っても雨は降らないらしい。
明日の天気はといえば、九州北部・山陰は晴れだが、山陽は曇りで、四国に至っては小雨も降るらしい。
昨日までの行程では、走行距離も伸びていないので、今後の日程もそろそろ心配しなければならない。
そこでS嬢と相談した結果、今日はS嬢でも距離の伸びやすい高速道路を利用しての移動日とすることにした。
朝食を終える頃には、雨が降り出してきた。
ひたすら九州自動車道を北上し、雲を追い越したところで、今後の成り行きを決めようということにして、霧島市を出発。
熊本あたりでいったん雨雲は切れたが、SAで休憩しているうちにすぐに雲に追いつかれた。
どうしようかなあ・・・、と走り続けているうちに、下関までたどり着いてしまった。


5月1日行程図
5月1日行程図(クリックで拡大画面が開きます)

 

門司側から見上げる関門橋
めかり公園付近(門司)から見あげる関門橋

 

関門橋
めかり公園から見上げる関門橋

 

関門トンネル人道入り口
関門トンネルの人道にはエレベーターで出入りする

 

下関駅前
下関駅前の街路

 

ふぐさし
下関に来たからには・・・ふぐ刺し

 

夜明けの市場と下関漁港
夜明けの下関漁港と市場



 

(5/2)編へ

 

開陽台ドットコム トップページ へ

 

 ! 

  コラム

いい地図ないかなあ?

mapple
ツーリングマップル

 

 オートバイでツーリングする人の8割くらいがつかってるんじゃないかなあ・・・、と思うのがこの昭文社の「ツーリングマップル」。おすすめの観光スポットやら、ツーリングルートやら、果ては日帰り温泉・食堂まで、昭文社に蓄積した豊富な地域情報の中から、オートバイツーリングをするタイプの人にあわせた情報が満載されている。
 今回九州ツーリングに出かける2日前になって九州・中国・四国地方のドライブマップの持ち合わせがないことに気付いた。仕事に追われて、書店に出かけている時間的余裕がなかったので、Amazonで購入したのだが、実物の比較ができない以上、選びようもないので、無難にこの「ツーリングマップル」を選んだ。

 昭文社がかつて大判の「マップル全国版」なるドライブマップを発売した時、僕はこいつに飛びついた。1/25万という大縮尺かつ大判(B4)なので、一つの見開きで広域がカバーされていた。更に、1/250,000図ながら、表記される道路もドライブという用途に即して取捨選択され、色彩的にも簡素で見やすかった。 当時の風潮からか、内容は地図情報の正確さに専心していて、今日のそれのような観光情報はあまり付加されていなかった。僕はそれがドライブマップ本来の姿だと思う。ドライブ・ツーリングの土台としての道路情報を地図が提供してくれて、あとの旅行情報は本人の嗜好に合わせて別のソースから得れば良い。今日のツーリングマップルのように、グチャグチャと書き込まれた”おすすめ情報”には、いささかウンザリとさせられる。

マップル全国版
マップル全国版

 

 この「マップル全国版」に比して、今日の「ツーリングマップル」は何とも使いづらい。この版(B5)で、しかも折り返してタンクバックに入れて使うスタイルだと、「アッ」という間に1ページ分を走りきってしまうし、どの道を行こうかと悩んだ時に、その道のおおむねの行方(どのあたりに抜けるか)を見るにも、いちいち何枚もページをめくらなければならない。1/200,000(北海道版)という縮尺もB5サイズにあわせて相当苦慮した末の選択なのだろうが、「この縮尺で、現状程度の地方道を書き込みつつ、せめてこの『ツーリングマップル』の地図2ページ分くらいを1ページに詰め込んでくれれば・・・」などと考えてしまう。

 この「ツーリングマップル」を使ってみて気づくのは、かつての「マップル全国版」の良かったところは、やはり大判だったという点に尽きる。B5という携行のしやすさを追求するが故、「ツーリングマップル」からは、この「マップル」本来の使いやすさが失われてしまった。

 このような声は他からも聞かれるらしく、「ツーリングマップルR」なる、タンクバッグの地図収納スペースの限界を見切った大型本(24.6x18.8cm)が近年発売された。しかしながら、その内容と言えば「更に帯に短し・・・」としか言いようがない。

 

マップルR
マップルR

 

 それにしても、このツーリングマップルやら某小型本ツーリング雑誌に記された食堂、宿泊施設の前などを通ると、本当にオートバイがたくさん停まっていてびっくりする。たとえばこの地図を持ってツーリングしている皆が皆、同じ情報に基づいて、同じ店に集まって、同じメニューを注文して・・・、なんて考えるとちょっとぞっとする。僕自身に関していえば、これらの地図、オートバイ雑誌や旅行雑誌に紹介されている、おすすめの店・宿には極力近づかない。もともと人の集まるところは嫌いだし、旅のオリジナリティとしてもちょっと疑問だからだ。それから実際、メディアに紹介されてマスプロになってしまった店や宿であまり旨いものに巡り会ったこともないし、心地よい滞在を経験したこともない。

 ・・・と、苦言ばかりを呈していても仕方ないので、地図ソフトから自分なりに理想の地図を作って、夏の北海道ツーリングに持ってゆこう、と一念発起してみた。自分のツーリングスタイルを見切るに、「移動する」と「留まる」の二つのスタンスにばっさりと切り分けた方が無難である。「まずは旭川から稚内まで移動して」、次いで「宗谷丘陵周辺をフラフラする」という二つの行動パターンである。ここで、「詳細かつ広域で、更に小型」という条件を一枚の地図でみたそうとすれば、中途半端な折衷点しか見えてこない。結局、「広域図」と「詳細図」の二部構成が必要になる。そして大きさは「マップルR」同等のA4弱。

 

マップル広域図
「ツーリングマップル」の広域図

 

 まずは「広域図」、これには、出発地と目的地を結ぶ高速道路・国道・主要地方道・観光道路・広域農道くらいが記載されていればいい。マップル巻頭にも上の画像のような広域図があるが、これはあくまでページ参照のためのものらしくて、地図として使うには大雑把すぎる。マップルRの1ページ(約25x19cm)程度に納まり、地図として使う気になる広域さの限界を考えるに、稚内 - 宗谷を北限とすれば、留萌 - 紋別を結ぶラインあたりを南限とするものであろう(下図)。A4弱にこれくらいの地域を収めるのなら、なんとか先述の主要道路くらいは書き込めるだろう。この程度の広域図でなら、約6-7ページの紙幅で北海道全域がカバーできるはずだ。

 

 稚内から留萌まで
クリックで拡大図が開きます

 

 次いで詳細図。いかに「詳細図」であっても、あまり1ページのエリアが狭すぎては使いづらい。で、マップルR見開き(2ページ)の大きさで、下図程度の広さは欲しい(宗谷から浜頓別まで)。

宗谷から浜頓別
クリックで拡大図が開きます

 

 たいていの地図には巻末に「主要市街図」なんてものをつけて、市道・町道などの副道を本来の地図から省いているが、ある程度まで、これらが記載されないと「詳細図」としての意味がない。特に、海沿い・湖沿いだったり、隣町まで通じているようなこれらの道は絶対に割愛したくない。「ツーリングマップル北海道2000年版」65図に準拠して、これらの情報をぎりぎりまで書き込むと、下図となる(北海道R版の手持ちがなかったので、従来版での比較となった)。

 

マップル北海道P65
クリックで拡大図が開きます

 上の地図をディスプレイ上で、マップル従来版の見開きと同じ大きさ(約30x21cm)にして確認すると、正直、細かすぎる。しかし、稚内の市街部以外は道路の表記色、フォントの大きさ等を工面すれば、ギリギリいける。あくまで停車時に見る、という前提に立てば、の話ではあるが・・・。もしこれがA3版であったなら、細かすぎて見づらいという感はまるでない。

 タンクバッグに収納可能なA4弱サイズで、上述のような要求をみたす地図を作成するためには、地図ソフトからの画像を簡単に加工しただけではどうにもならない。道道以下の地方道の中から記載すべきものを取捨選択し、それぞれの表示色や表記の太さなどを念入りに検討しなければならない。気が遠くなるほどの作業時間が必要となる。

 とここまでやって気づいたこと、「言うは易し、行なうは難し。くやしいけど『ツーリングマップル』って、よく考えて、ギリギリの線で作ってるなあ・・・、」ってこと。「主要道以外を走りたい」なんて個人的欲求を満たそうとすれば、確かにいくらでもつめていきようがあるのだけど、「万人の妥協点」としての地図としては、本当に煮詰められている。安易でマスプロな「おすすめ情報」も大抵のライダーさんたちには喜ばしいのだろう。まあ、これらには目をつぶり、ムサいオヤジライダーがラーメン食ってる写真はマジックで塗りつぶして、今年も「ツーリングマップル」持って、北海道にいこう、っと、トホホ・・・。